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クローズドーキッチンにした理由

2011.12.03

台所は玄関から見て食堂の手前にある。これは食堂と分離した、いわゆるクローズドーキッチンになっている。近年の日本の住宅では、台所と食堂がカウンターだけで仕切られたセミーオープンーキッチンが多く、私も仕事としての設計ではそういう選択をすることが多い。セミーオープン型は、主婦(あるいは主夫でも、とにかく台所側の調理担当者)が食卓に居る家族から孤立しないので、家族の融和には適している。その良さを十分に分かりながら自邸でクローズドーキッチンを選んだのには、いくつかの理由がある。

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一つはわが家の細長い平面の制約から、居間が食堂の奥に、つまり食堂を通過しなければ到達できないところに、位置せざるを得なかったからだ。平面の外郭の制約が少なければ、通常、たとえ居間と食堂が一室であっても、居間と食堂をゾーンとして分け、玄関からそれぞれへの出入り口をとるか、出入り口が一つしかとれなければ両ゾーンの中間に配置するようにする。さらにはこの二つのゾーンを、普段は壁の中に隠れている引き戸などで必要に応じて仕切る工夫もできる。こうした仕切りの戸がなくても出入り口が中間にあれば、食卓のあまり近くを通らずに居間へ入れるような動線を設定できるので、食堂とつながる台所が散らかっている場合でも、それを目立たせずに居間に客を導くことができる。ところがわが家の平面でセミーオープンーキッチンにすると、食堂・居間へ通る客が台所を直視することになりやすい。これは「散らかっている状態を見せたくない」という具体的な警戒心というより、どこにも楽屋裏がない感じをおそれる気持ちからだ。