自己破産の大型化は、資産家に限ったことではない。四〜五年前までは多くても五〇〇万円程度だったが、最近は八〇〇万円、九〇〇万円というのが当たり前になっている。国民生活セッターの調べ(九四年)によれば、多重債務者の借入額の平均は九二〇万円となっている。いまどきの自己破産の実態を表しているといえるだろう。自己破産件数そのものは、ここ二、三年、四万件台で推移しているが、今後の景気や産業構造の変化などによっては、中高年を中心に失業率が増大する可能性がある。すでに製造業の就業者数は、雇用調整の結果、ピーク時(九二年)の一五六九万人に比べて約一三〇万人も減っている(九五年三月時点で一四四一万人)。こうなると住宅ローンの返済に行き詰まって借金に手を染め、多重債務に陥る人が急増する恐れも否定できない。ある金融関係者は、「自己破産件数が横ばいなのは金融会社の取り立て能力が落ちただけの話で、多重債務者は相変わらず増えている。いまは少しずつ蓄積されたガスが爆発する前段階にすぎない」と言う。実際、親や兄弟に「代払い」(借金の肩代わりをしてもらうこと)してもらって自己破産を免れている人もいるし、惜金を踏み倒して夜逃げをしている人も少なくない。
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